updated '98 08/31
last modified March 20, 2005

JAZZ REVIEWS (ジャズ・レビュー)9+


 <今回のメニュー>
 
   夏季休暇夏眠中 縮小編成特別号

(曲名の赤字は推薦)




  最近の入手ものからいくつかを

 まずは、 
A TOUCH OF YOU/JAN LUNDGREN(ALFA JAZZ: ALCB-3934)
Players: Jan Lundgren(p), Peter Washington(b), Billy Drummond(dr),

Tunes: Blues for Raz, Love You Madly, Willow Weep for Me, Cleopatra's Dream, A Touch of You, Midnight Waltz, The Time Is Now, While My Lady Sleeps, Tranquille, Fingers, Lotus Blossom,
最近のものではまずこれでしょう。ライナーの寺島氏がカヴァー写真に入れ込んで相当字数をさいていますが、モノトーンだったらもっとジャズっぽかったような気がするのですが。さて、デビュー作に優るとも劣らない出来で、あの雰囲気がちょっと甦ってくる。1曲目のブルーズで勝負あったというところでしょうか。これであとの曲は気持ちよく聴ける。まぁ全体的に少しおとなしいかなとも思うけど。珍しくもピーターソンやサド・ジョーンスの曲を取り上げていますが、Caperの曲で"Invitation"でも"Green Dolphin Street"でもなく"While My Lady Sleeps"を弾いているのも珍しい。こちらとしては"Invitation"を弾いて欲しかった。今度はドラムがKenny Washingtonで録音がVan Gelderというの如何でしょう。Three Soundsっぽくなるかもしれないけど、目指すはSonny Clark Trioの雰囲気(ちょっと違うか?)。あとは来日するだけだ。


 次に、
IN THE RED/RED HOLLOWAY(HIGHNOTE: HCD 7022)
Players: Red Hooloway(ts,as), Norman Simmons(p), Peter Washington(b), Kenny Washington(dr),

Tunes: The Chase, In My Solitude, Snu-Fu, The Gypsy, Claudia, Watermelon Man, A Tear in My Heart, Rapture,
どういうわけだか、いくつかまとまってCD化されているNorman Simmonsの最近の録音のうちの一枚で、彼が目当てで購入しましたが(例のWashingtonリズム隊だし)、リーダーは<Funky Driver>?のHollowayです。シカゴ・テナーの伝統を引き継ぐ、タフで図太い音色のテナーは健在(2曲はアルトを吹く)。もう70を越えているはずなのだが。当然、AmmonsやGriffinとつながっているわけだけれども、音を聴いて思い浮かべるのはPlas Johnson。D.Gordonで始まりH.Landの曲で終わるなどなかなか。Washingtonのドラムを聴いてそれとわかる、録音はVan Gelder。彼がゲルダー・スタジオの専属ドラマーになることを切に希望するものです。たまにはこういうちょっとアーシーなジャズを。もちろん、Norman Simmons以下のリズム隊は好調です。


 さて
TO EACH HIS OWN/MIKE LEDONNE(DOUBLE-TIME: DTRCD-135)
Players: Mike LeDonne(p), Peter Washington(b), Mickey Roker(dr),

Tunes: Encounter, To Each His Own, Movin' Along, The Pharaoh, Star-Crossed Lovers, My Romance, Pretty Little One, Bleeker Street Theme,
あっ、これもベースはPeter Washingtonで、録音はVan Gelderです。ベースの音の太さはただものではない響き。ハイハットやシンバルの音も心地よい。往年のブルーノートの雰囲気が甦るよう。もちろんこの人のすべてのリーダーアルバムを知っているわけではないですが、ベストの出来の一つになるのではないでしょうか。速い曲では指が流れてしまうところもあるようですが、そんな技術的なことにジャズ・ファンたるもの耳を奪われてはいけません。彼は当然ジャズ・ピアニストであることをここで主張しています。購入の決定打は大好きな"Star-Crossed Lovers"が入っていたからですが、どれをとってもおすすめに値する曲が並んでいます。ピアノ・フリークには大推薦。ちなみに、ライナーノートをドラマーのKenny Washingtonがジャズ批評家として書いています。


 それから
LIVE AT THE SENATOR/BRIAN DICKINSON(JAZZ INSPIRATION: JID 9308)
Players: Brian Dickinson(p), Kieran Overs(b), Jerry Fuller(dr),

Tunes: If You Go, Spring Sprung In, Lover Man, Solar, Meniscus, Arnold, I Fall in Love Too Easily, Everything I Love, Invitation,
この人も今、楽しんで聴いているピアニストの一人。前回とメンバーは変化なしですが、ライヴで、前回なかったオリジナル曲も聴けます。この人の良さは、まずピアノがよく鳴ること、また音もきれいである、スイングすることも忘れない、ちょっとしたスケールの大きさも感じさせる、現代的だけど決して取っ付きにくくない、などがあります。このメンバーでいつも活動しているようなので、オーソドックスなピアノ・トリオとしてのまとまりという点でも問題はありません。このライヴはトロントの"Top of the Senator"とかいうクラブで録音されているけれども、トロントはこの手のジャズが好きなファンにとっては一度訪れてみたいところ。10月に入ってしばらくすると紅葉がきれいだろうなぁ、ジャズを聴くにはいい季節だなぁとか思ってしまう。おっ、"Invitation"も入っています。


 さらに
KEEP HOT: MEL LEWIS MEETS THE JOE HAIDER JAZZ ORCHESTRA(JHM RECORDS: JHM RECORDS 3604)
Players: Joe Haider(p), Mel Lewis(dr), Thomas Stabenow(b), Ted Nash: Roman Schwaller: Andy Scherrer(sax), Bart van Lier: Robert Morgenthaler: Eric van Lier(tb), Bob Coassin: Allan Botschinsky: Bert Joris(tp),

Tunes: Lucky Thirds, Waltz No. 2, Keep Hot, Blues for Paul, It Only Happens Every Time, Rhythmik Changes,
各セクション3人ずつで、欧米のいくつかの国の出身者で構成されているインターナショナルなオーケストラ。種も仕掛けもないビッグバンド・サウンドを聴けます。どういういきさつでこのバンドが編成されたのか定かではありませんが、録音自体は1986年にスイスでされています。知ってる名前より知らない名前の方が多いし、曲もオリジナルばかりなのですが、サックス・セクションに惹かれて購入したところ、はずれではなかった。一番聴きたかったのはその中でもTed Nashで、マルサリスのリンカーン・センターのオーケストラの一員として来日してもいます。最近は独自の路線を築いているようですが、コンコード盤のデビュー作のような彼を期待していて、正解。まだ、フィル・ウッズの掌の上っていう感じですが、それがいいんだけど・・・最近の彼は理屈っぽくて。さて、ソロを中心に構成されており、それぞれが出来の良い演奏を聴かせます。


 終わりに
I HEAR A RHAPSODY/TOTTI BERGH(GEMINI: GMCD 48)
Players: Totti Bergh(ts), Per Husby(p), Terje Venaas(b), Ole Jacob Hansen(dr), Egil Kapstad(p),
Egil Johansen(dr),

Tunes: In A Sentimental Mood, My Funny Valentine, God Bless the Child, I Hear A Rhapsody, Emily, Willow Weep for Me, I'll Never Be the Same, Sophisticated Lady, Yesterdays, 'Tis Autumn,
以前バラードばかりのところで紹介したことのあるTotti Berghのリーダー・デビュー作を入手。本格的な夏を感じる間もなく秋に突入する今からがこの人の季節と言える。ウェブスターとズートの中間の味わいを聴かせるノルウェイの貴重なテナーマン。曲目みてもいずれも有名なスタンダードで、これらをなかなか滋味なアドリブで聴かせてくれます。唄ってますよ、ちゃんと曲をテナーで。まぁいわゆる大人のジャズって言うやつなのですが、この手のジャズがなくなると世も末で、どんどんこの手の貴重な戦力を探し続けなければいけないし、育ってもらわないといけません。にしても、大好きな"Emily"や"'Tis Autumn"を取り上げてくれていたなんて嬉しい限り。ピアノの二人も伴奏上手だし、ベースはちゃんとアクセントになっているしで、上々の出来。ジャケットがPabloっぽい。


 
  今回は短めで、ここまで。
  では、また次回。バーゲンの戦利品を中心に紹介の予定。
  Jazz Reviews 10 へ



INVITATION TO JAZZ SECTION の最初へ