first updated '2010 Oct. 18

JAZZ COMMENT ? 74


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      1 ここしばらく聴いているもの

      2 整理しようと思ったのだけれど・・・ T篇


1 ここしばらく聴いているもの

WALKING THE SOUL MAP / STÉPHANE MERCIER 4TET (MOGNO: MOGNO J031)

Players: Stéphane Mercier(sax&fl), Charles Loos(p), Bas Cooijmans(b), Marek Patrman(dr),

Tunes: Team Spirit, Back to the Land, Virginie Fatima, Erkenne mich mein Huter, Ma Elle, Straighten up and Fly right, La Chapelle, Fragile, Matis, A Ship without a Sail, La Bohéme, Djorten, Bare Feet,

サックスのstephaneがリーダー。はじめて聴くので詳らかにはならないのですが、サックスはアルトがメインで、音色はちょっと翳りがあるようでその中に明るさが垣間見えるような割と好みのタイプではあります。ソニー・クリスか、むしろその弟子のディラン・クレーマーを想像していただければわかり易いかもしれません。曲目はオリジナルあり、クラシックや、フランスの歌曲あり、ミュージカルあり、スティングの曲ありと多彩なラインナップです。1曲目はまるで「酒とバラの日々」を彷彿とさせるメロディ・ラインで、これはけっこうスムースに、メロディアスに展開していきます。2曲目のレスター・ヤングの曲も成る程といった感じで良いかもしれないと思わせておいて、このあとしばらく私的には面白いと思える曲はなくちょっとだれてしまうのが残念。スティングの"Fragile"あたりから盛り返してはくれるのですが、どうなんでしょう。ただ、リーダーが吹くアルトの音色と節回し、それとピアノのCharles Loosはちょっと注目で、粒だった硬質なピアノがなかなかイケます。


SECOND TIME AROUND / LEW WOODALL QUARTET (PHILOLOGY: W 432.2) 2009

Players: Lew Woodall(g), Hod O'Brien(p), Tom Harbeck(b), Joel Lubliner(dr),

Tunes: What Is This Thing Called Love, Stomping at the Savoy, Meditation, I'll Remember April, It Could happen to You, Autumn Leaves, One Note Samba, C Jam Blues, Bye Bye Blackbird, Solar,

イタリアっぽい名前がないけど、PHILOLOGYだし、てっきりイタリア録音かと思っていたら、アメリカ・ヴァージニア州での録音でした。まあオランダのCriss CrossNY録音なわけですが。注目はどうしてもHod O'Brienに向かうでしょうけれども、ピアノの時によく言う、粒立った明快な、というフレーズを使いたくなるギターのLew WoodallがそのHod O'Brienの粒立った明快なピアノと二人で一連のソロを演奏しているような相性の良さを聴かせてくれます。Lew Woodallのギターは初めてで、B.B.キング仕様のレスポールを、Cal Collinsもしくは手数の多いMundell Lowe風に弾いてみました、といったギターの印象。演奏されている曲はいずれ劣らず超有名曲ばかりで、だからこそ、ただではすまないといったことがあったりしますが、そんなコチラの懸念をものともせず、実にまともにあっさりと衒いなく演奏している。ただ、気のせいなのか"It Could happen to You"(ドラムとギターのデュオで演奏が始まるアレンジは狙っていますが)"Autumn Leaves"は、他と異なり若干繊細さがソロワークに聴かれるような、ちょっと違う印象を受けます。ベースがピックアップではなく、電気ベースであろうことが残念で、これでアコースティックなベースだったら、演奏自体は変わらないですが、印象が良い方にもっと変わったと思う。

SMELL3 SWINGIN' / CAZZOLA MENCI BENEDETTINI (RADIO SNJ RECORDS: SNJ-BF-009) 2010

Players: Gianni Cazzola(dr), Nico Menci(p), Paolo Benedettini(b),
Tunes: I Got Rhythm, Summertime, Laverne Walk, Alone Together, Milestones, Autumn in New York, On the Trail, I'll Remember April, Somebody Loves Me,
2001年から2005年にかけてイタリアで行われたこのトリオのライブ演奏を収集したアルバム。1から5までが2005年、6が2003年、7から9までが2001年ですが、そのうち9だけは場所が異なる。これでもかという位にお馴染みの曲が並んでいて、やはり聴く前からちょっとした安心感が醸成され、これもどうかとは思いもしますが、にもかかわらずそのような演奏が目の前に立ち現われてくるとニコニコっとせざるを得ない。またこれでもかという位に正攻法で演奏されてしまうと、それも極めて気持ち良く、名前をちゃんと覚えておこうと、次の出会いがまた楽しみになるというものです。ややこしいことは何も考えずに、乗るか乗れないかであらゆることが決着するタイプのピアノ・トリオ。そうです、スイングしなけりゃ…系です。決して流麗華麗、留まることを知らない指さばきで、イケイケどんどんといったピアノというわけではなく、どちらかといえば引っ掛かり気味なタッチの、フレーズの味わい深さで聴かせるタイプのように思います。このピアノを邪魔することない、これまた控え目でかつ適切なベースとドラムがこのトリオをトリオたらしめている。

TAT TVAM ASI / STEPHAN COSTA TRIO (: ) 2010

Players: Stephan Costa(p), Gösta Müller(b), Wolfi Rainier(dr),

Tunes: Jetzt Geht's Los, Waltz for K, 3:45, One more for the Ladies, Blasts, Tat Tavam Asi, Manta Rey, Peppone, Gehen Und Bleiben, Soho, P.O.V., Locker Schnitzel, Und Lass Alle...,
オーストリアのインスブルグ在住らしいことぐらいでよくわからないので本人のサイトへと伺ったのですが、ドイツ語のようでしたのであえなく撤退してきました。ただ、本人を掴めない中でも、バイオを眺めているとBig Bandという語句が目立つことから、その活動遍歴の一端は推測できます。Rob McConnellという名前もありますから。オーストリア生まれのようなのですが、Stephan Costaは地元密着型の名前には思えないところがあります。閑話休題。まあ、言えることは、イギリスのDavid Gordonトリオのような雰囲気がちょっとあるかもということぐらいでしょうか。一音一音メリハリのはっきりした快活な鍵盤音と弾けるようなフレーズ回しが、心地良いといった点が共通するような気がします。全曲ピアノのStephan Costaのオリジナルで、前半の数曲は5分を超えていますが後半はほとんどが3分台かそれ以下で、いくつかまとまって組曲を聴くようなそんな印象もあります。6曲目の標題曲と最後の曲はピアノ・ソロで、特に標題曲の方は落ち着いたとてもチャーミングな演奏で、こっちの方がクロージング曲っぽい。演奏スタイルはワルツ、4ビート、ゴスペル調などバラエティに富んでいて、僕は退屈することはありませんでした。

BLUE HAMMERS / ALBERTO CITTERIO (MUSIC CENTER: BA 257 CD) 2010

Players: Alberto Citterio(p), Antonio Cervellino(b), Cristian Daniel(dr),

Tunes: First Out, Waltz for Anna, Albert Suite, Frustration, Al Blues, Blue Hammers, Rumclave, Black Hair,
何か今回はイタリアというかヨーロッパ方面からの便りが多いような気がします。これは何かの前触れでしょうか?全編ピアノのAlberto Citterioのオリジナルで、初めて聞くような名前で、それもヨーロッパ土壌で、「う~ん」と躊躇する典型的なピアノトリオではあります。最近どうもそのようなものが多くて、少々逆に食傷気味というか、食中りしていましたという状態だったのですが、これはその中でもす~っとお腹の中を問題なくすり抜けることができた1枚。数多いるモード系ではとりあえずないのが、逆に今目立つポイントかもしれません。かといって、よく言われるところの美メロ系というわけでもないような気がして、これもまたポイントだったりします。少なくとも僕にとっては。録音のせいかもしれないのですが、聴きながら、どこかで聴き覚えがあるピアノの音とタッチだなぁと思いつつ、ようやくたどり着いたひとつの結論は、そうかGary Schunkを思い出させたのかというものです。一度そう思ってしまうと、馴染みのピアニストに久しぶりに再会したような気になり、どの曲もどんどん「いいじゃないか」とハマッテしまっている自分がいます。

FAST TRACK / JACK CORTNER NEW YORK BIG BAND (JAZZED MEDIA: JM1023)  2006

Players:Marvin Stamm(tp,flh), Bob Millikan; Brian O'Flaherty; Danny Cahn; Tony Kadeck; Bud Burridge(tp), Jim Pugh; Tony Studd; Birch Johnson; Bruce Bonvissuto*(tb), Paul Faulise(b-tb), Lawrence Feldman; Jerry Dodgion; Dave Tofani; Dennis Anderson; Kenny Berger; Ronnie Cuber*(sax), Jeff Miranoc(g), Bill Mays(p), Jay Anderson; Martin Wind*(b), John Riley(dr),

Tunes:Who's 'at Talkin', Softly as in a Morning Sunrise, Ballad for Betsy, Etude, Secret Love, On the Trail, Limehouse Blues, Slowdown, Flimflam Ma'am, Fast Track, Lover Man,

夏はビッグバンドの季節と決まっているわけで、BobさんもRobさんもなかなか聴く機会に恵まれなくなってきた昨今においては、このJackさんのビッグバンドは猛暑とか酷暑とかいわれた今夏は特にスカッとさせてくれたのではないかと思います。暑いさなか、複雑でオルタナティブなアレンジのビッグバンドを聴こうという気はおこりません。可能な限り、シンプルで乗りの良い演奏がしっくり来ようというものです。その点でこのCDは温暖化が叫ばれ始めたここ数年、夏には欠かせない一枚に加わった。ニューヨークのミュージシャンによって構成されたバンドは、往年のサド=メルのような位置づけも可能かと思われますが、それほどまではやはりモダンではなく、上述のようなオーソドックスな演奏を聴かせてくれることがこのバンドの存在意義なのではないかと思います。軽快な走り出しの1曲目が耳に心地良い。モダンなJimmy MaxwellのようなMarvin Stammの滑らかなトランペットがさらに気持ちいい。Bill Maysをはじめとするソロもしっかり聴かせる(Jerry Dodgionは本当になし?)。バンドを締めているベースとドラムのJohn Rileyも◎。馴染みのある曲以外はすべてJack Cortnerのオリジナルですが、佳曲といえる曲目がならび楽しみながら一気に聴ける。


2 整理しようと思ったのだけれど・・・T篇

    オークションに出す方が良いのか、専門店に買い取ってもらう方が良いのか、残した方が良いのか・・・
    ただいま整理中・・・。

JAZZ A LES FOSQUES VOL.1 / IGNASI TERRAZA TRIO (SWINGFONIC: SW04CD)  1999

Players:Ignasi Terraza(p), Manuel Alvarez(b), Oriol Bordas(dr),

Tunes:Candy, September Song, Love for Sale, I Remember Clifford, Secret Love, Can't We Be Friends?, When I Fall in Love, Our Love Is Here to Stay, On Green Dolphin Street, Chega de Saudade, Just You Just Me,

ようやくTの所まで辿り着き、あともうちょっとで一回り目の終わりが見えてきた。アルファベットを何回回るかわかりませんが・・。で、Ignasi Terrazaです。もたもたしているうちにジャケットが一新されて、再発されてしまいました。最初に聴いたのは、これか同じレーベルのもう一枚か、今となっては定かではありませんが、こちらはライブ盤です。どちらをよく聴いたのか。こちらが登場したわけですから、当然のごとく、圧倒的にこちらです。その理由は両者に共通して演奏されている曲の違いにあります。それはLove for Saleです。この曲ではマイルスのものと双璧をなすか、この曲の演奏ではもしかしたらこちらの方が好きと言えるような気がする。演奏はもう一枚と同じように淡々と始まるのですが、素手でドラムを叩き始めるあたりから、グイグイとというかズンズンとというのか、立ち上がってくるグルーブ感あるいはスイング感がたまりません。誰かに似ているというようなことがあるかもしれませんが、僕は抜群に乗れます。ず~っと聴いていたいと思う。この前の曲September Songを弾きすぎた嫌いがあるので、単音を積み重ねる彼のピアノによけい惹きつけられるのかもしれない。この時はまだ彼が視覚障害者だとは知りませんでした。


MEMORIES OF YOU / EDDIE THOPMSON TRIO (HEP JAZZ: HEP CD 2021) 1994

Players:Eddie Thompson(p), Len Skeat(b), Jim Hall(dr),

Tunes:C Jam Blue, Rosetta, Memories of You, Misty, Paris Mambo, Round Midnight, Love Will Find a Way, Satin Doll, Memories of You(alt.), Round Midnight(alt.), Love Will Find a Way(alt.),

今回、偶々というか、そういえばそうなってしまったのですが、Tのもう一人も視覚障害者になってしまいました。こちらは、Ignasi Terrazaよりもさらにスイング感溢れるピアニストです。まだIgnasi Terrazaの方が一つ一つの音が重さを感じるのですが、こちらは軽いというよりか実に軽やかといった方が誠実な言い方かもしれません。ピアノのタッチが細いように思われて、それがかえって繊細さをフレーズに与えているのかもしれません。のんびりとした、ゆったりしたテンポで始まるC Jam Bluesはシャーシャー、サクサクと擦られるブラシのササクレ感が心地良い。何とそのドラマーの名前がジム・ホールなんていうのは、もう一人、ベースか他の楽器で同じ名前がいたら、ジム・ホールトリオとかカルテットというのができていたら面白かったかもしれない。「マンハッタン」などという曲のフレーズを差し挟みながらピアノを弾くMemories of Youも洒落ている。何も考えずにダラ~と身を任せてスイングしたい時に聴くと、やっぱりジャズは良いなぁと思う。



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