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JAZZ COMMENT ? 62


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      1 As Usual


1 As Usual

DUKE ELLINGTON'S NEW ORLEANS SUITE / HIROSHI TAMURA (FiveStars Records: FSY-505) 2007 APRIL 23
Players: Hiroshi Tamura(p),
Tunes: Blues for New Orleans, Bourbon Street Jingling Jollies, Portrait of Louis Armstrong, Thanks for the Beautiful Land on the Delta, Portrait of Wellman Braud, Second Line, Portrait of Sidney Bechet, Aristocracy a la Lean Lafitte, Portrait of Mahalia Jackson, New Orleans, New Orleans Blues, Do You Know What It Means to Miss New Orleans,
Duke Ellingtonの「ニューオリーンズ組曲」をソロピアノでというアイデアは、確か「ピアノは私のオーケストラだ」と言った彼の言葉に倣って、唐突とは言えないのかもしれない。もちろんエリントンの名曲はそのスタイルを問わず演奏されし続けている。ただ、組曲をピアノで、それもソロでというのはさすがに、結果的に英断と言えるCDが出来たのはご同慶の至りです。田村さんは、僕なんかには歌伴イメージが強くて、その昔は峰純子さんとかで聴いて、その後は同じ名前の村田さんのバンドでも聴いていたような気がします。そして、いつの間にか恐竜マニアとして広く知られるように。それほど熱心なリスナーではなく、歌伴でのピーターソンとジミー・ジョーンズの中間あたり、ややフラナガン寄りのピアニストぐらいの認識しか持ち合わせていませんでした。ところが、こんなにピアノを鳴らせる力量があったジャズマンだったとは。あらためて、田村さんの本質を再認識することが出来たことに感謝。近日中に今度はトリオ演奏が聴けるようですが、とても楽しみにしています。組曲からはなれて、大好きな曲"Do You Know What It Means to Miss New Orleans"が入っていたのは嬉しい限りです。

HIGH STANDARDS / Michael Kocour(p), Kelly Sill(b), Joel Spencer(dr)(:)
Players: Michael Kocour(p), Kelly Sill(b), Joel Spencer(dr),
Tunes: Battle Royal, The Very Thought of You, The Shadow of Your Smile, I'll Remember April, Let's Face the Music and Dance, Star Eyes, Hello Young Lovers, Body and Soul,
自主制作盤のようで、CDナンバーがありません。リーダーはドラムのJoel Spencer、シカゴやその近郊で活動しているジャズメンによるピアノ・トリオ。並んでいる曲目を見ても音が聞こえてきそうな、そんな予感は一曲目から的中します。ベースとブラシの心地よい4ビートに乗せられたところに、ピアノのシンプルなフレーズが積み重ねられていく出だしは、構図的には当たり前といえばそうなのですが、にも関わらず、これは非常に重要なポイントです。CD時代になっているとはいえ、一曲目なのですから。堅調な一曲目から一転して、二曲目はこれも短音が積み重ねられていくバラードで、そのシンプルなフレーズに浸ったところで、ややエンヤトットっぽいボッサビートが聞こえてくる。そして、"I'll Remember April"以降は通常の扱いで、といった具合に曲は続いていきます。ピアノのMichael Kocourはおそらく初めて聴きますが、右手のシンプルなフレーズの紡ぎ具合が好感触で、これから御贔屓にしたいピアニストになりそうです。音程のしっかりしたベースと、スティックもブラシも小気味良いドラムも注目です。ラリー・フラー辺りのトリオ好きにはお薦めかと。

SPEAKING IN TONGUES / MICHAEL KOCOUR TRIO (:)
Players: Michael Kocour(p), Dwight Kilian(b), Dom Moio(dr),
Tunes: Un Poco Loco, Ugly Beauty, Think of One, Wail, Ask Me Now, Bye-Ya, Oblivion, Pannonica/Epistrophy, Parisian Thoroughfare, Four in One, Dusk in Sanndi,
これも自主制作盤かな。上のMichael Kocourつながりで、こちらはこの人がリーダー。で、こっちはバップ全開といった感で、パウエルとモンク曲集。Michael Kocourは年齢は40代前半、ノースウェスタン大学で長らく教えながら地元でも演奏していて、最近はアリゾナ州立大学のジャズ・プログラム監督をしているらしいです。このCDもそこのホールで録音されています。もしかしたらDan Crayと師弟関係か何かあるのかもしれない。全体としては、えらくスマートでスムーズなパウエルとモンクかなといった印象です。それぞれの持っているパウエルのゴツゴツ感とかモンクの殺伐感がもっとあってもいいとは単純に思ったりもしますが、そっくりショーではないので、それはそれこれはこれとして聴くのがおそらく正解。ピアノタッチの正確さがそういった印象をもたらすのかもしれませんが。五曲目以降の奇数ナンバーはピアノソロで演奏されています。それにしても、乱れずごまかしのない確かなタッチと鍵盤音の美しさは、先生ならではものかもしれない。逆に、面白味がないといった批判は出てくるでしょうけれども。

THE BRIDGE / CHRIS LOMHEIM TRIO (ARTEGRA: ART2004)
Players: Chris Lomheim(p), Gordon Johnson(b), Phil Hey(dr),
Tunes: Everything I Love, The Bridge, It Could Happen to You, Estate, Marse, Blame It on My Youth, Woody'n You, In Passing, The Last Flower,
Gordon Johnsonの名前があるからか、ミネソタ州だから余計にそう想わせるのか、駆け抜けていった感がある、今は亡きレーベル「IGMOD」を彷彿とさせるCD。そのレーベルのPhil Aaronが良かったなぁと思うリスナーには○です。

NEVER ENOUGH / ONDREJ PIVEC ORGANIC QUARTET (ANIMAL MUSIC: ANI 003-2)
Players: Ondrej Pivec(org,vo*), Libor Smoldas(g), Jakub Dolezal(ts,as), Tomas Hobzek(dr),
Tunes: Never Enough, Coming Soon, V.P., Turkish Coffee, The Scamp, Christopher's Blues, Li'l Darlin'*, Don't Get Any Ideas*,
ピアノトリオばかりだと飽きてくるので、他の音が聞こえる、ちょっと毛色の変わったものを。チェコ共和国のCD。オランダのBenjamin Hermanあたりを思い浮かべたりもしましたが、このチェコのオルガン奏者は歌ったりもします。それがなかなか味のある声質とアーティキュレーションで、かなり良いんではないかと。お薦め。

THE BOB RAVENSCROFT TRIO AT TALIESIN WEST (RAVENSWAVE: RAVE-9001)
Players: Bob Ravenscroft(p), Warren Jones(b), Rob Schuh(dr),
Tunes: Very Early, Beneath It All, Gloria's Step, Quiet Now, Beautiful Love, Gary's Waltz, I Hear a Rhapsody, Midnight Mood, What Is This Thing Called Love, Turn Out the Stars/Time Remembered, I Love You,
フランク・ロイド・ライトのタリエシン・ウエストでの洞穴?ライブ。ジャケットが万華鏡みたいだし、初めて聴くトリオでも、演奏している曲がエヴァンスよりだし、聞こえて来るのはそういうジャズですので安心できます。

PORTRAIT OF A NORWEGIAN JAZZ ARTIST: EINAR IVERSEN (GEMINI: GMOJCD 9503)
Players:Einar Iversen(p), Erik Amundsen; Hakon Nilsen; Knut Ljungh; Terje Venaas(b), Arnulf Neste; Jon Christensen; Svein Christiansen; Egil Johansen; Tom Olstad(dr),
Tunes: Just One of Those Things, Like Someone in Love, It Necessarily So, I Hear Music, Social Call, Our Delight, Blaklokkevikua, Skinn Sol, Swedish Pastry, 'S Wonderful, I May Be Wrong, Hallelujah, Lover Man, Bernie's Tune, Ain't Misbehavin', Sophisticated Lady, Lazy Bird, Nardis, Randi,
おなじみEinar Iversenの、旧作からのコンピレーションがGEMINIからでました。1960年前後のアメリカ西海岸のジャズの香りがしてきます。徐々に変化しているようで、本質的には普遍なEinar Iversenの歴史を伺い知ることができます。

DOWN THE MIDDLE /PHIL DEGREG TRIO (PREVENIENT MUSIC: PVM 103)
Players: Phil DeGreg(p), Tom Warrington(b), Joe LaBarbera(dr),
Tunes: Con Alma, Pick Yourself Up, Blues on the Spot, Urgency, Bonita, Down the Middle, The Inside Track, Palindrome, I Concentrate on You, Wail, So in Love,
久しぶりのPhil DeGregで、それこそ西海岸で現在活躍中のバックとの共演。今回はどちらかというと押さえ気味というか渋めの曲目と演奏で決めています。同時期購入のギター、ベースとのトリオの方が、むしろ派手かもしれない。

TIME / ARASHI (J STORM: JACA-5064,5065)
Players: Arashi,
Tunes: Oh Yeah!, Love So Sweet, WAVE, We Can Make It, Firefly, Taiyo No Sekai, Carry On, Rock You, Cry for You, Love Situation, Kaze, Be with You, LIFE, Aozorapedaru / Song for Me, Friendship, Nizi, Can't Let You Go, Yabai-Yabai-Yabai,
最近のマイブームなので。限定版のソロは前回のものよりさらに個性が際立って来ている。曲目はかなり絞り込まれてCD化されていると思われ、タイアップがあるにしても、いずれも捨てがたい曲が並んでいる。開き直ったような二宮君のソロはちょっとびっくり。と、ここまで書いてきて、『週刊金曜日』のCD欄で紹介されていたのにはさらにびっくり。


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